健康やウェルネスに関心のある方なら、GLP-1について聞いたことがあるのではないでしょうか。空腹を鎮めるこのホルモンは、血糖値を改善し、食欲をコントロールし、減量をサポートする能力があり、今ではとても有名になりました。
空腹を抑えるホルモン
グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、主に消化管で自然に分泌されるホルモンです。
食後、身体は炭水化物を単純糖に分解し、血流に乗せます。そこからGLP-1が膵臓からインスリンを分泌させ、ブドウ糖を血流から細胞に送り込み、栄養とエネルギーとして利用します1。
GLP-1が足りないと、血糖値を適切に下げるのに十分なインスリンが分泌されず、高血糖となり、糖尿病になることが多くなります2。
GLP-1模倣への執着
GLP-1に似せた新しい方法が市場に氾濫していますが、こうした合成食欲抑制剤の多くは、極端な副作用を伴ったり、法外な値段がついたりします。そして、アメリカオハイオ州にあるクリーブランド・クリニックによれば、ダイエッターの80~95%が、減らした体重が元に戻ってしまっているらしいのです3。
即効性のあるダイエットの犠牲になってはいけません。それを摂るのを止めた途端に体重が元に戻ってしまうような、あるいはそれ以上に増えてしまうダイエット法は、あなたの残りの人生を通じて体重を管理するのに役立つ根本的な栄養やフィットネスの習慣の改善につながっていないからです。
代わりに、GLP-1の産生を自然に促し、一生体重を維持できる良い習慣を身につける方法があるとしたら? そんな方法があるのです! 食物繊維を始めとするマイクロバイオームをサポートする適切な栄養素を摂ることから始めればいいのです。
食事がGLP-1に与える影響
GLP-1の分泌は主に腸から始まるため、食事は体内で生成できる量に重要な役割を果たします。2016年の研究では、単糖類、ペプチド、短鎖脂肪酸などの特定の栄養素がGLP-1の分泌に影響を与えることが示されました。4
これらの栄養素を自然に豊富に含む食品には、以下のようなものがあります:
- オーツ麦、大麦、全粒小麦などの食物繊維の多い穀類
- 芽キャベツ、ブロッコリー、ニンジンなどの繊維質の多い野菜
- 卵
- ナッツ類
- アボカド
- オリーブオイル
食物繊維についての事実
食物繊維は、アダプトゲンや薬用キノコのような健康分野における新たなトレンドではありませんが、私たちはいまだに、知られざる健康のヒーローだと考えています。適切な量の食物繊維を摂ると、想像以上に体が軽くなり、活力が湧いてきます。
実際、食物繊維は腸内細菌叢の改善に役立ちます。腸内の食物繊維が不足すると、微生物が粘液バリアを劣化させ、炎症を引き起こす可能性があることを最近の研究が示しています。食物繊維が豊富な食事は、有益な微生物のエサとなり、より健康的な消化器系をサポートできます5。
食物繊維はまた、GLP-1レベルを高めるだけでなく、さまざまな点でダイエットに驚くほど有益です。水溶性食物繊維は水に濡れるとゲル状になり、消化プロセスを遅らせます。その結果、満腹感が得られ、血液中への糖の放出が緩やかになるため、満腹感と満足感が長く持続するのです6。
アメリカ心臓協会は1日25~30gの食物繊維摂取を推奨していますが、平均的な成人は1日15gしか摂取していないと報告されています7。
生活習慣がGLP-1に与える影響
体内で生成される他のホルモンと同様、特定の環境要因がGLP-1の生成に関与する可能性があります。
GLP-1レベルを上げるため、以下のヒントを参考にしてください:
- 定期的に運動する:中等度から強度の運動は、天然のGLP-1レベルを高めるのに役立つことが研究で示されています8。ジョギング、パワーウォーク、サイクリング、水泳、ダンスなどがおすすめです。
- 十分な休息をとる:睡眠がホルモンレベルに大きな影響を与えることはご存知でしょう。体の細胞が適切に機能するように、毎晩少なくとも7~8時間の質の高い睡眠をとるようにしてください。
- 心を落ち着かせる:運動による肉体的ストレスはGLP-1レベルを高めるのに役立ちますが、精神的ストレスは逆効果になることがあります。ストレスレベルを下げることで、GLP-1を含むホルモンのバランスを整えることができます。深呼吸や瞑想、心地よい音楽、友人との交流などで心を落ち着かせましょう。
<参考文献(英語)> 1https://www.health.harvard.edu/staying-healthy/glp-1-diabetes-and-weight-loss-drug-side-effects-ozempic-face-and-more 2https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/9815-hyperglycemia-high-blood-sugar 3https://health.clevelandclinic.org/why-people-diet-lose-weight-and-gain-it-all-back 4https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5148911/ 5https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5131798/#:~:text=Regular%20consumption%20of%20dietary%20fiber,reducing%20the%20incidence%20of%20colitis. 6 https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/nutrition-and-healthy-eating/in-depth/fiber/art-20043983 7 https://www.ucsfhealth.org/education/increasing-fiber-intake#:~:text=How%20much%20fiber%20do%20I,about%2015%20grams%20a%20day 8 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24824772/